ベアドッグの日本初の繁殖に成功
ピッキオが飼育するメスのベアドッグ「タマ」が2018年3月31日深夜から4月1日正午すぎに かけて、メス5頭、オス1頭、計6頭の小犬を出産しました。タマはこれが初産であり、日本 におけるベアドッグの出産も今回が初めてです。
プロジェクトの背景
ピッキオは人とクマとの両立をめざす活動をしています。ベアドッグはクマの匂いを察知し 吠えることでクマを森の奥に追い払うことができる犬で、アメリカでその訓練と活用方法が確 立されました。ピッキオでは2004年よりベアドッグを用いていますが、これまではすべてアメ リカのベアドッグ育成機関Wind River Bear Institute(WRBI)より犬を輸入していました。 ピッキオは、国内でのベアドッグの繁殖をめざし、2017年夏に「ベアドッグ繁殖プロジェク ト」を立ち上げました。本プロジェクトでは、クラウドファンディング等を通して支援を呼び かけ、222人から2,908,000円の支援が寄せられました。寄せられ た支援金は、ベアドッグの繁 殖のために必要な小屋の建設や、アメリカからオス犬を招致して交配させる費用に充てられま した。
出産の経過と現在の様子
出産の経過は以下の通りです。専任のスタッフが泊まり込み、夜通しで出産のサポートにあ たりました。いずれも自然分娩でした。前述のWRBIでの平均出産頭数は6頭前後であり、タマ の出産頭数は平均的なものであったと言えます。一方、出産にかかった時間は、やや長めでし た。4頭目の体重が562gあり、かなり大きかったことが関係していると思われます。 4月2日現在、タマは小犬たちから一瞬たりとも離れようとせず、授乳と排泄の世話を続けて います。
3月31日
22:37 1頭目(メス)を出産
23:13 2頭目(メス)を出産
23:23 3頭目(メス)を出産
4月 1日
7:11 4頭目(オス)を出産
10:08 5頭目(メス)を出産
12:43 6頭目(メス)を出産
*カッコ内の体重は出生時体重 *上記6点の写真はいずれも4月1日夕方に撮影
今後の予定
母犬および小犬の健康状態に留意しつつ、6月中下旬頃から、地域の方へのお披露目などを 行い、小犬の訓練を始める予定です。
2018年 6月 アメリカWRBIよりスタッフ来日
軽井沢町内の小学校などで社会化訓練
7月 ベアドッグとしての訓練開始
2019年 5月 本格始動
ピッキオ
「森本来の姿を経済的な価値として高く評価できれば、未来に森を残していける」という理念の下、1998年より 野生動植物の調査およびツキノワグマの保護管理や、自然の不思議を解き明かす自然観察ツアーを行っています。
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